1 丹沢山地南部のジダンゴ山
珍しい山名のシダンゴ山は丹沢山地の南部に位置する山で、震旦郷山と書かれることもあります。
シダンゴ山を地図上で示します。756mの低山で単独で登るには物足りないという気がして、高松山経由で2016年5月5日に登った。
シダンゴ山の山頂広場はアセビが群生しており、中央に石祠と石碑があり、シダンゴ山の由来が書いてあります。
欽明天皇の時代、この山にシダゴンという名の仙人がいて、その仙人の名が地名となり、シダゴン転じてシダンゴウになり、さらにシダンゴになった、と記載されてます。漢字は「震旦郷」が当てられたような記載です。そのため、「震旦」は古い中国のことですが、シダンゴ山と中国との関連は無いようです。「郷」は、令制で郡の下におかれた行政区画ですから、その地域をあらわしますが、これも当て字のようです。800mほど東に、「稲郷」があります。
欽明天皇(きんめいてんのう)は、日本の第29代天皇(在位:539年- 571年)です。
中国と、お団子、地震とも関係の無い山名の「シダンゴ山」です。
始めに「震旦郷」という山の名がありこの漢字に合うように読み方、由来を決めたという説は無いようです。
(1)ジダンゴ山からの富士山
富士山はダルマ沢ノ頭の左側にいます。
2016年5月5日に高松山経由で登った時、ダルマ沢ノ頭の左側に、富士山の山頂部が見えました。残念ながら、手前の樹木が富士山の山頂部と左側のすそ野を隠してます。山頂の周りにはアセビ(馬酔木)が群生しています。
シダンゴ山からの富士山の拡大。富士山の左のすそ野が樹木で分断さてれています。
シダンゴ山からの富士山は手前の樹木がないと、左のすそ野がダルマ沢ノ頭に沿って愛鷹山まで伸びて行きます。富士山山頂部は見えており、山頂部の広さの幅で、左斜めに切り取られた形状の富士山です。
カシミールで作成したシダンゴ山からの富士山

2007年には、手前の樹木が低く富士山の左のすそ野はほぼ見えています。2000年ごろにはすべて見えていたと思います。
このように、片側のすそ野を帯状に切りとった富士山は珍しく、通好みの富士山として紹介されていました。富士山展望の山頂で、このような形状の富士山は、私はまだ見たことがありません。
しかし、2016年には、手前の樹木が伸びて、富士山の左すそ野を消してしまいました。この形になると、山頂部が見える富士山に分類されてしまい、シダンゴ山からの富士山の特徴は消えてしまいます。
そして、このままいくと後数年で富士山が消えていきそうです。シダンゴ山からの富士山の景観を守るために、松田町と大寺地区の対策を期待します。
|
|