塔ノ岳は、神奈川県北西部に広がる丹沢山地の南部にある標高1,491 mの山で、交通の便がよく日帰り登山ができることから丹沢山地で最も人気がある山です。富士山からの方向角は75度、富士山からの距離は41km。 塔ノ岳山頂には広い展望広場があり、そこから前景に丹沢の山々、左側には愛鷹山、箱根の山から相模湾、右手には南アルプスを配置した力強い富士山を見ることができます。富士山がいる大展望で、息を呑む絶景です。
天気が良い日はこの広場で富士山を眺めながら、おにぎりを食べます。風が強く寒い日には尊仏山荘でおにぎりを食べます。各休憩ポイントでトイレも完備されています。
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塔ノ岳に上るには一般的に大倉尾根コースと表尾根コースがある。二つのコースとも、中腹から相模湾を伴った富士山が見えます。今回は、大倉尾根コースを歩きました。
1.大倉尾根コース
大倉バス停から塔ノ岳山頂を一直線に目指すコースで、通称「バカ尾根」と呼ばれる大倉尾根をひたすら登ります。標高差1200mで、途中には急傾斜の坂、階段が多いためかなりきつい。
毎年登ることにしているので、その時の登山体力測定として利用してます。
登り:3時間30分、下り:2時間20分(山と高原地図 28.丹沢 2013 昭文社)
2.表尾根縦走コース
ヤビツ峠から二ノ塔、三ノ塔を経て塔ノ岳へ登る。表尾根からの展望を満喫しながら少し時間をかけて登る。距離と時間が長い分、歩き甲斐のあるコース設定になっています。
陽射しが暖かい4―7月に、景色を楽しみながら登ることが多いです。
登り:4時間5分、下り:3時間15分(山と高原地図 28.丹沢 2013 昭文社)
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■6:10 小田急江ノ島線長後駅 ■7:12-7:16 小田急小田原線渋沢駅から大倉までバス。 ![]() ■7:30 大倉バス停到着。ここが塔ノ岳、鍋割山に登る出発地点になります。また、牛首を経由して、塔ノ岳表尾根コースの三ノ塔に登ることもできます。 「丹沢大山国定公園」、「県立丹沢大山自然公園」の表示があります。 ![]() ■7:47中央の建物が秦野ビジターセンター。売店と食堂があります。右横の立派なトイレで用を足して、ベンチで靴紐を結びなおし、登山届けを出して出発します。秦野ビジターセンターの左の道を真っすぐ進むと塔ノ岳、左に進むと鍋割山です。快晴、気温0℃。 ![]() ■7:51 登山道に入ります。「大倉尾根 0 緊急時上の番号を通報してください」、「塔ノ岳 6.4km」の表示板。紫色の相棒さんが先導します。 ![]() ■8:04 見晴らし茶屋まではなだらかな坂道が続きます。見晴茶屋から続く急峻な登り道の足慣らしとしてゆっくり進みます。 ![]() ■8:05 右手の秦野市街、相模湾を枝の間から眺めて登ります。 ![]() ■8:10 観音茶屋到着。月曜日なので開いていません。以前、茶屋横の道の上に屋根がありましたが、屋根がなくなっています。台風のためか。 ![]() ■8:19 分岐ですが「雑事場ノ平」で合流します。「塔ノ岳には左も右も700m先で合流します。」「左が大倉高原やまのいえ 大観望」の表示。 下山の時何回か山の家に寄って珈琲を飲みましたが、今回は右に進みます。 ![]() ■8:31 雑事場ノ平に到着。暑い季節には、日陰にあるベンチが気持ちが良いので、ここで休憩します。本日は0℃ですので日当たりの良い見晴茶屋まで進みます。 ![]() ■8:32 尾根の杉並木の道を3分進みます。 ![]() ■8:35 見晴茶屋に到着。休憩。 ![]() ■8:35 陽射しで白く光った相模湾を眺めて6分間休憩します。 ![]() ■8:41 見晴茶屋出発。見晴茶屋からすぐに急峻な坂道が始まります。上を見上げてため息をついてから、岩と木の階段を登ります。登りきるまで上は見ないようにします。 ![]() ■8:50 一段落した後、さらに急坂が続きます。 ![]() ■8:59 見晴らし茶屋から20分ぐらいで一本松に着きます。以前、一本松がありましたが、今は表示板だけです。 ![]() ■9:02 一本松のすぐ上に広場があり、ベンチがあります。秋には紅葉が綺麗なところです。 ![]() ■9:06 この後、平坦な道が続くので、駒止茶屋まで進みます。 ![]() ■9:16 少し急坂を登ると駒止茶屋が見えてきました。この上に休憩する広場があります。 ![]() ■9:18 駒止茶屋上の広場です。道の左右にベンチがあります。ここで8分間休憩。 ![]() ■9:18 右側のベンチから塔ノ岳の表尾根コースの山が見えます。 ![]() ■9:32 駒止茶屋から平坦な道を少し進むと、左側に樹木の間から富士山が見える展望スポットがあります。青い空の下に冠雪した鮮やかな富士山が見えました。ここで塔ノ岳山頂からの富士山の見え方を予測します。雲ひとつなく空気が澄んだ快晴・・・期待できます。足に元気が湧いてきます。 ![]() ■9:36 距離は半分以上登りましたが、標高差では600mほど登ったので半分ちょい、時間もちょうど半分ぐらいです。 ![]() ■9:38 堀山の家まで樹木の枝の後ろに富士山を見ながら進みます。 ![]() ■9:44 堀山の家手前の坂道を進みます。 ![]() ■9:47 堀山の家に到着。塔ノ岳には多くの休憩ポイントがあるので各自の体力に合わせて休憩する場所を決めることができます。ここは樹木の間から見える富士山を眺めるだけで先に進みます。 ![]() ■9:47 堀山の家からの富士山。富士山を見るために5、6年前に樹木を伐採したようです。この堀山の家から花立山荘まで急峻な登りが続きます。 ![]() ■9:53 坂道の途中の標高1000m付近で富士山に加え愛鷹山まで見えてきました。 ![]() ■9:56 急峻な坂道が続きます。 ![]() ■10:04 ここからも急峻な階段が続きます。大倉尾根は階段がとても多く、「大倉尾根の階段地獄」という人もいます。その地獄の階段道を登ります。 ![]() ■10:09 戸沢分岐に到着。矢印が戸沢になっているので戸沢分岐と書きましたが、正式ではない。この道が天神尾根なので天神尾根分岐か。右側がこれまで登ってきた大倉尾根の道で、左側が水無川沿いの戸沢に下る道です。この分岐の上に休憩場所があります。 ![]() ■10:12 休憩場所です。ここが天神平とよばれているところらしい。道の左右にベンチがあります。ここでチーズとかき餅を食べて10分間休憩。空が青い。 ![]() ■10:12 登ってきた道を振返ると相模湾が見えます。 ![]() ■10:22 花立山荘への道です。少し平坦な道を歩きと急峻な道が続きます。 ![]() ■10:35 木々の間から富士山が見えます。 ![]() ■10:35 階段道の後、急峻な岩場になります。 ![]() ■10:41 花立山荘への階段です。登る途中階段の先には空しか見えないので、自分は「天空への階段」と名づけています。10年前から塔ノ岳を登っていますが、この天空への階段を何分で登れるかでその時の体力を測ります。10年前は6-7分で登りました。 ![]() ■10:41 塔ノ岳・花立山荘下の階段登り口からの富士山 愛鷹山、箱根の山、相模湾。 晴れている時は、「天空への階段」を登る前に楽しみがあります。階段下から見事な富士山が見えます。富士山を眺めながら息を整えます。 富士山の左のすそ野が愛鷹山、箱根の山に流れて相模湾に続きます。丹沢の山で見られる典型的な富士山の景観です。塔ノ岳山頂では富士山の左右の裾野の先に山並みが続きますが、天空への階段下から花立ノ頭までは富士山左側の景観を楽しみなさいと、塔ノ岳と鍋割山の途中にある小丸のすそ野が富士山の右側をカットしています。 ■10:41 塔ノ岳・花立山荘下の階段登り口からの富士山 愛鷹山、箱根の山。 「富士山と愛鷹山と箱根の山」が作るこの景観が好きです。 ■10:41 塔ノ岳・花立山荘下の階段登り口からの富士山。 宝永山の右側の冠雪が大幅に下側に伸びています。これは宝永火山からの噴出物のため森林限界が低くなったためです。丹沢の山から眺めると冠雪の左右のバランスが悪くなりますが、富士山はこれを調整するため小富士のところを冠雪させています。小富士の白い矢印の形が冠雪全体のバランスを整えています。また、宝永山の左下にポコポコと可愛らしい二ッ塚が見えます。 ■10:49 天空への階段を一歩一歩登り、階段の先にやっと花立山荘の赤い屋根が見えてきました。 ![]() ■10:51 天空への階段から秦野市街、その右横に小田原市街、それらの奥に相模湾が見えます。階段の登り口は見えません ![]() ■10:52 花立山荘到着、本日の登り時間は8分ちょい。次は7分台を目指します。70歳で7分が目標です。ここで10分休憩します。花立ノ頭は更に右側の坂道を登ったところです。 ![]() ■10:53 花立山荘からの富士山 階段下より右側が少し隠れます。しかし、休憩しながら眺める富士山の景観は格別です。 ■10:53 花立山荘からの富士山と愛鷹山 。 ■11:08 花立山荘から一登りした所からの富士山。富士山の右側のすそ野も見えてきました。富士山の前の積雪した山は大丸から小丸の尾根道かと思います。小丸はその左端のところ。画面左側は登ってきた道。
■11:08 花立山荘から一登りした所からの富士山と愛鷹山、箱根の山、相模湾。 ■11:08 花立山荘から一登りした所からの富士山 富士山と愛鷹山と箱根の山。前景が違うと趣が異なるのでしつこくシャッターをきります。 ![]() ■11:08 花立山荘から一登りした所からの富士山 大丸と小丸の尾根道の上の富士山。山肌の対照が面白い。 ![]() ■11:10 塔ノ岳の花立ノ頭付近からの富士山。富士山の両すそ野が延びて南アルプスも見えています。 ■11:10 花立ノ頭付近からの富士山 愛鷹山と富士山と南アルプス ■11:10 このあたりが最も高いところで花立ノ頭と思います。「花立ノ頭」の標識はなかったようです。 木道の先の山が塔ノ岳。その左の山が不動ノ峰、蛭ヶ岳、ミカゲ沢ノ頭、臼ヶ岳、大室山、檜洞丸。檜洞丸の左手前の山は大丸。 ![]() ■11:12 塔ノ岳の花立ノ頭からの富士山 富士山と南アルプス 富士山の前に鉄砲木ノ頭、三国山も見えてきました。 ■11:13 花立ノ頭からの塔ノ岳 塔ノ岳の右手には木ノ又大日、新大日などの表尾根コースの稜線が見えます。 ![]() ■11:15 細い尾根道を振返ります。左側に新しく金属製の柵が設置されていました。 ![]() ■11:17 金冷しです。左に進むと鍋割山、右に進むと塔ノ岳。 やはり「金冷し」の由来が気になる人がいて「Yahoo!知恵袋」に質問しています。、その回答を以下に示します。 「読んで字のごとく「金」が冷えてしまうのです。男性の急所が、冷えてしまうほどおっかない場所のことを言うようです。恐ろしい思いをしたときに「肝を冷やす」と言いますが、似たようなものでしょうか。あるいは「きもひやし」が「きんひやし」に転訛したのかもしれません。」 実際の道はそれほど冷えるほどの怖さはありません。塔ノ岳まで0.6kmとの表示。もう少しです。 ![]() ![]() ■11:35 金冷しから塔ノ岳まで0.6kmを歩く。66歳の疲れた足にはこの0.6kmが長い。頂上まで130m程の標高差があり、階段が多く、足が重い。最後のひとがんばりです。この日は花立山荘までゆっくり昇ったためか、鮮明な富士山が待っているためか、順調に頂上手前の階段に到着しました。気持ちが急いでいたのでその間の写真はありません。 ![]() ■11:37 塔ノ岳山頂に到着 ![]() ![]() ■ ■ ■ ■ ■11:38 塔ノ岳山頂から 富士山がいる大展望. 前景に鍋割山、丹沢山など丹沢の山々、左側には愛鷹、箱根の山から相模湾、右手には南アルプス、その中央に力強い富士山が聳えています。息をのむ絶景です。足の疲れはどこかへ飛んでいきます。 ■11:38 塔ノ岳山頂からの富士山 富士山を中央にして(1) ■11:38 塔ノ岳山頂からの富士山 富士山を中央にして(2) ■11:38 塔ノ岳山頂からの富士山 富士山を中央にして(3) 小富士の矢印が吉田大沢を示し、その吉田大沢は右側に流れて、力強い富士山です。 ![]() ■11:38 塔ノ岳山頂からの富士山 富士山山頂部 ![]() ■11:38 塔ノ岳山頂からの富士山 富士山と愛鷹山、箱根の山、相模湾。 ■11:38 塔ノ岳山頂からの富士山 富士山と愛鷹山。 ![]() ■11:43 塔ノ岳山頂からの富士山 富士山と南アルプス ■山座同定 2013.1.14の雲が多いが南アルプスがより鮮明な画像で。 ■(12:26) 塔ノ岳山頂と富士山 山頂右手に尊仏山荘 、寒い時、風の強い時には山荘の中で昼食をとります。ガスバーナーも使えます。その左横に公共便所、助かります。 山頂中央には塔の岳の木柱、その右に狗留尊如来の石碑、左に山岳表示盤。山頂全域に踏み台兼ベンチの木材が設置されています。 山頂から、南西に富士山、南〜南東に相模湖の絶景が見られます。 この日は風もなく、陽ざしが気持ちよいので、富士山を眺めながらおにぎりを食べ、珈琲を飲む。 ■11:40 相模湾を後景に、大倉尾根からの登山者が到着します。 ■12:27 全方位の山岳表示盤。 ![]() ■12:28 「祈登山安全 狗留尊佛如来 丹沢山尊佛別當 東光院 秦野市山岳協会」の石碑 仏教の教えに過去七仏(かこしちぶつ)という教えがある。過去七仏とは釈迦仏までに(釈迦を含めて)登場した7人の仏陀をいう。その四番目の仏陀が「倶留孫仏」である。字は違うがその「クルソンブツ」だと思います。 かつて山頂には別称の尊仏山の由来となった尊仏岩があり、お塔と呼ばれ信仰されていた。塔ノ岳の山名はその塔に由来する。なお、山頂に建つ山小屋「尊仏山荘」の名もこの岩に由来している。この岩は関東大震災の余震である丹沢地震 (M 7.3) で大金谷へ転落し現存しない。(塔ノ岳 - Wikipediaより)
![]() ■12:29 記念撮影 ![]() ■12:43 記念撮影 ![]() ■13:00 下山前に、尊物山荘横のトイレにいき、戻ってくる時に、逆光になっている山頂を一枚。 ![]() ■13:24 100分程山頂を楽しみ、下山します。下りはアイゼンをつけました。 ![]() ■13:45 下山の時は、富士山以外の光景も見ながら歩きます。
![]() ■13:46 青い空が鮮やかです。 ![]() ■13:48 この時刻では富士山は霞んできます ![]() ■13:49 相模湾を眺めながら下りていきます。 ![]() ■13:56 花立山荘横に新しくトイレが設置されていました。 ![]() ■13:57 相模湾を眺めて下りていきます。ここから見晴山荘まで、さすが大倉尾根という急峻な坂道を下ります。大腿部と膝が疲れます。 ![]() ■14:42 堀内山の家で休憩 下山の時は、花立山荘横、堀内山の家横、見晴山荘横で休憩します。大倉バス停まで4.7kmの表示板。 ここを右側の道を下りると鍋割山の登り口の二俣に下れそうですが、初めての方は行かないでください。7年前に1人で下りていき、表示板が殆どないため、道に迷い、堀内山の家まで薄暗くなった道を登りなおしました。昭文社の地図では点線コースになっており、「初心者通行不可」と書いてあります。下りの表示板も今回はなかったか。 ![]() ■14:44 堀山の家 ![]() ■15:32 見晴山荘横で休憩 ![]() ■15:40 相模湾を眺めて休憩 ![]() ■15:42 見晴山荘から雑事場ノ平に行く杉の並木道。ここを歩くのが好きです。その後は、なだらかな下り道で大倉バス停に着きます。 ![]() ■16:16-16:22 大倉バス停到着。バスで渋沢駅へ。 ![]() ■16:39 小田急小田原線渋沢駅発 ■17:38 小田急江ノ島線長後駅着 END
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