高尾山からの富士山 「富士二鳥台座」の形成        


 



 その昔、イザナギとイザナミの二柱の神は天の橋にたち矛で混沌をかき混ぜ、矛から滴り落ちるものにより、淤能碁呂島(おのごろじま)を創った。その後、大倭豊秋津島(おほやまととよあきつしま:本州)など、大八島(おおやしまのくに)を生み出していった。その 大倭豊秋津島を生み出したとき、その中央に、すべての島のなかで最も偉大で、美しく、尊厳のある山、富士山を創りだした。


 

     
その後、イザナギとイザナミは六島の生み出し、子育てに忙しく、富士山周辺の山々の形成は、その周辺に住む山の神々に任せた。しかし、周辺の山の神は富士山が美しく眺められる場所、高さを得るために、押し合い、ぶつかり合いを行い、各地で場所取りの争いが続いた。


そこで、イザナギとイザナミは、富士山の北東の山々の神を集め、こう述べられた。



私たちは大倭豊秋津島に、後世に国の中心となる大平原を創り、その西端にその平原に住む人々の憩いの場所となる山を創り、高尾山と名づけた。丹沢と道志の山の神よ、富士山はその周辺を形成する山などにより、其の景観がかわります。高尾山からの富士山を、最も美しく、かつ人々を和ませる姿を持つ富士山にしていただきたい。



丹沢と道志の山の神は知恵を出し協力して、富士山周辺の山並みの形成を始めました。







1 前方に山が無いときの高尾山からの富士山


吉田大沢は右側にあります。左側に宝永山があります。

高尾山は富士山からの方位角58度です。宝永山は富士山からの方位角は130度、高尾山からは72度なので、宝永山頂上の突起は顕著である。
高尾山の前面に山がまったく無い場合、手前左側に山中湖が見えます。




前方に山が無いときの高尾山からの富士山







2 まず、道志の山の神が動きます。


道志山塊の最高峰である御正体山で富士山の正面から右側前面を覆います。

富士山の鷹の爪のような冠雪部が見える高さまで覆います。



道志山塊の最高峰である御正体山で富士山の正面から右側前面を覆います。







3 次に、丹沢の山の神が動きます


大室山と加入道山で富士山の左側前面を覆います。

慎重に御正体山と富士山との位置関係を計り、宝永山山頂を隠さないところまで、加入道山を移動させました。

高尾山からの富士山は、宝永山を持つことが重要であり、この宝永山が左右対称を崩して富士山に動きを与えます。
(宝永山は1707年に形成されますが、この時点で丹沢の山の神は、宝永山の位置を予知していました)

大室山と加入道山にあわせ、道志の赤鞍ヶ岳が左右のバランスを調節するため御正体山の右側に移動していきます





大室山と加入道山で富士山の左側前面を覆います。







4 鳥ノ胸山を左前方に配置します


 
鳥ノ胸山は道志川の南側にある山なので丹沢山地であるべき山ですが、何故か道志山塊に属している山です。 
道志の山の神は、其の鳥ノ胸山を丹沢山地と道志山塊の協力の証として富士山の中央部の左下に置きました。

丹沢山地と道志の山並が優雅に重なり合い、富士山は其の中央にゆったりと座しています。
丹沢と道志の山の神はこの山々が形成した景観に満足し、後は前方の山、鳥井立の配置で完了と思いました。



鳥ノ胸山を丹沢山地と道志山塊の協力の証として富士山の中央部の左下に置きました。







5 ここで独自な美的感覚を持つ鳥井立が、むくむくと盛り上がり、山の神にこう述べました。


丹沢山地と道志の山並の優雅な重なり合いを強調しすぎてはいけない、
富士山が鎮座する台座としての尊厳さを出すために、鳥井立がその中央部を覆い御正体山の一部を隠します。


鳥井立が隆起の動きを止めた時の山並みは、富士山中心部から見るとほぼ左右対称であるが、
微妙な崩れがあり、かつ鳥井立が中央に位置することで山並みに重厚さが加わっていた。



富士山が鎮座する台座としての尊厳さを出すために、鳥井立がその中央部を覆い御正体山の一部を隠します。







6 「富士二鳥台座」の完成


更に鳥井立の東尾根などを加え、大明神を持つ山並みを最も手前に配置して富士山の台座形成は完了しました。

丹沢と道志の山の神は、この絶妙な富士山の山並みに感動して、「富士二鳥台座」と命名しました。








7 「富士二鳥台座」の山稜色分け


富士山の台座形成に参加した山の尾根を色を変えて示します。富士山の台座形成としては最も多くの山が関わっています。











8 「富士二鳥台座」の山体彩色


関与した山を彩色します。季節変化により高尾山からの富士山の景観も変化します。









注:「富士二鳥台座」は当サイトが勝手につけた名称です。他での使用は自己責任でお願いします。




 現在の高尾山からの富士山を示します。


丹沢山地と道志山塊が絶妙な台座を形成して、そこに富士山が鎮座しています。
富士山は最も美しく切り取られた富士山山頂部を見せています。



現在の高尾山からの富士山







 高尾山からの富士山のいる大展望。高尾山からの全体の景観も見事です。

富士山の左には加入道山から蛭ヶ岳、丹沢山、大山に続く丹沢山地、右側には御正体山などの道志の山、御坂山地、滝子山と続き、
その奥には塩見岳などの南アルプスが見える雄大な景観です。




高尾山山頂下の展望台から、富士山がいる大展望。



高尾山からの富士山のいる大展望の山座同定









制作過程





本文の1−6までの画像は、カシミ−ル3Dのカシバード画像作成中の画像をパソコンキ−ボ−ドの「Print Screen」で撮影しました。


参考資料高尾山と富士山の間にある山の尾根に着色して、カシバードで撮影描画。これを基に作成。



参考資料:高尾山と富士山の間にある山の尾根に着色して、カシバードで撮影描画



参考資料:高尾山と富士山の間にある山の尾根に着色して、カシバードで撮影描画




イザナギとイザナミのイラストは イザナギイザナミ-4cイラスト - No: 24301984|無料イラスト・フリー素材なら「イラストAC」 より引用






高尾山からの富士山 「富士二鳥台座」の形成  完












コメント欄










富士山と野の花眺めて山歩き l 富士山展望の山を方位角の一覧表から探す l 地図から探す l 富士山あれこれ l サイトあれこれ  北斎「富嶽三十六景」