御中道からの富士山全体像を画像合成    


 





「御中道で自分が眺めた富士山全体の景観画像を掲載する」を目的として、撮影した写真を使いPhotoshopで合成画像を作成しました。

この合成画像と自分が眺めた富士山の全体像を比較し、異なっている場合、さらに画像処理を行えばよい。しかし、自分が眺めた富士山の全体像が不明瞭であることに気がつきました。ジーと眺めて脳内に保管したと思っていた富士山の全体像が、脳内の引き出しから出てきません。実写した写真、それの合成画像を見たことにより、脳内の信号処理系統が乱れたためと思われます。

そのため、「御中道で自分が眺めた富士山全体の景観画像を掲載する」ことは諦めました。その検討過程を以下に記載します。


1.実写の画像を合成

1.1 合成、トリミングにより作成した富士山の画像。(2014.9.10 16:43撮影)

御中道の小御岳ー御庭間で五合目以上の富士山全体が見える展望地から撮影。画角はほぼ200度です。そのため、肉眼でも全体を一望できず、首を2回まわして眺めます。

写真一枚では富士山全体を撮影できないため、4枚撮影して合成しました。カメラはPENTAXQ7、レンズは超広角ズームレンズ08を使い、視野角102度の広角側で撮影(35ミリ判換算で焦点距離17.5mmー27mm相当、画角は102-77度)。


富士山全体の合成画像(A)

富士山全体の合成画像(A)


1.2合成手順

(1)カメラは手持ちで、注意深く水平にまわして4枚の写真を撮影。(カメラの画面に水平画角を示す印が付いています。)4枚の写真相互に重なる部分ができるように撮影します。


写真@
写真A
写真B
写真C
富士山の写真@ 富士山の写真A 富士山の写真B 富士山の写真C


(2)合成する前に、各写真を見る。

山頂部:AとBを比べると共通するすそ野と空の境界線の傾きは黒線のBに比べ、赤線のAはかなり大きいです。縦方向で見るとA赤線A比べBの黒線の間隔が長くなっています。BとCでも同様です。





写真A、B、Cを重ねた画像D。AとCは半透明画像を使用。

赤線はA、Cの各部分。黒線はBの各部分。AとBは雲の箇所を重ねる。BとCはすそ野の共通する部分を重ねる。

写真A、B、Cを重ねた画像D



すそ野部:重ねた人物の上の黒線と赤線は重なり、すそ野と空の境界線の傾きの違いも山頂部に比べかなり小さい。


写真@、Aを重ねた画像E。@とAとも半透明画像を使用。

黒線は@の各部分。赤線はBの各部分。@とAは御中道を歩く人物を重ねる。

写真@、Aを重ねた画像E

これらの写真を用いて合成します。山頂部を合成するには相当の処理が必要と思います。


(2)AdobeのPhotoshopで合成


Photoshopで【ファイル】-【自動処理】-【Photomerge】 を選択し、@、A、B、Cの画像をを選択して、レイアウトを指定します。


選択するレイアウトは、パノラマの作成方法によって異なります。

【自動設定】Photoshop によってソース画像が分析され、遠近法、円筒法、球面法のうち、Photomerge の生成に適したレイアウト
が適用されます。


【遠近法】複数の元画像から 1 つを参照画像として指定し(デフォルトでは中央の画像)、一貫したコンポジションを作成します。
次に、複数のファイル間で重なり合うコンテンツが一致するように、その他の画像が変形されます(必要に応じて、再配置、拡張ま
たはゆがみが行われます)。


【円筒法】折り畳まれた円柱上に個別の画像を表示することで、遠近法レイアウトで発生する可能性がある蝶ネクタイ状のゆが
みを軽減できます。複数のファイル間で重なり合うコンテンツは一致したままです。参照画像は、中心に配置されます。横広なパノ
ラマを作成する場合に適しています。




【球面法】球面内部にマッピングするように画像を整列および変換します。360 度にわたる画像セットがある場合は、これを使用
して 360 度パノラマを作成できます。「球面法」を使用すると、他のファイルセットでもパノラマのような結果が得られます。


【コラージュ】複数のレイヤーを整列させ、重なり合うコンテンツを一致させ、元のレイヤーを一致させ(回転または拡大・縮小)しま
す。


【位置の変更】複数のレイヤーを整列させ、重なり合うコンテンツを一致させます。ただし、元のレイヤーの変形(拡張やゆがみ)は
実行されません。


レイアウトを選択して、「OK」をクリックし合成します。
Photshopの合成方法




(3)円筒法で行った合成画像

「遠近法」、「コラージュ」、「位置の変更」では合成不可。視野角が大きく、重ね分が大きく異なると、合成できないようです。

「折り畳まれた円柱」がどのようなものかわかりませんが、「横広なパノラマを作成する場合に適しています。」と記載がある円筒法で合成。

@、A、B、Cの合成画像(B)は各画像の変形は大きいですが、一見したところ重ねた箇所がわからないほど巧妙に合成されています。

@、A、B、Cの各レイヤー画像(C)をみると、重ね分が自然に見えるように各画像の変形、つなぎ合せが行われているようです。

この画像(B)の重ね部の修正、樹木の垂直性の調整などのを行い、トリミングして画像(A)を作成しました。


@、A、B、Cの円筒法による合成画像(B)


@、A、B、Cの円筒法による合成画像(B)



合成画像(B)の@、A、B、Cの各レイヤー画像(C)


合成画像(B)の@、A、B、Cの各レイヤー画像(C)




(4)実写写真と合成画像の比較

写真Bと合成画面(B)の景観は、見る側の受けるイメージが異なるほど違います。この2枚は、同じところからの同じ富士山かと思うほど違います。

HPにこれが御中道からの富士山と画像を掲載する立場として、戸惑います。これに関しては、後で検討。

富士山すそ野の下部は写真と合成画像でも、さほど違いはありません。


写真B


写真B



合成画像(B)中央部


合成画像(B)中央部



写真Bと合成画像(B)中央部の重ね画像。写真Bは半透明。

写真Bと合成画像(B)中央部の重ね画像

左すそ野部の比較 すそ野の傾斜を比較するため、境界線を重ねていません。


左すそ野部の比較


右すそ野部の比較


右すそ野部の比較






(3)6枚の縦長写真を用いた円筒法による合成画像

縦方向の長さが必要なパノラマの景観を合成する時にこの方法を用いるため、横長の写真を用いた合成画像と比較検討を行った。合成画像ははほぼ同じであった。


写真T@
写真TA
写真TB
写真TC
写真TD
写真TE
富士山の写真T@ 富士山の写真TA 富士山の写真TB 富士山の写真TC 富士山の写真TD 富士山の写真TE



     縦長写真6枚を用いた円筒法による合成画像(D)。 何故か左側が縦に長くなって合成されます


 縦長写真6枚を用いた円筒法による合成画像(D)




横長写真@、A、B、Cの円筒法による合成画像(B)と縦長写真6枚を用いた円筒法による合成画像(D)の比較。ほぼ同じです。


横長写真@、A、B、Cの円筒法による合成画像(B)と縦長写真6枚を用いた円筒法による合成画像(D)の比較



(4)球面法による合成

「球面内部にマッピングするように画像を整列および変換」と記載がある球面法で合成。

球面法と円筒法の合成方法の技術的違いがわからないので、単純に画像を比較すると、球面画像の方が、両端部が上に上がり、すそ野の傾斜がなだらかになっています。



@、A、B、Cの球面法による合成画像(E)


@、A、B、Cの球面法による合成画像(E)




球面法の合成画像(B)と円筒法の合成画像(E)との比較。(E)は半透明画像で右に少し傾けています。


球面法の合成画像(B)と円筒法の合成画像(E)との比較



(5)Photoshopを用いて、円筒法の合成画像(B)を変形

縦収縮、横収縮、上部収縮などいろいろな変形が可能です。もし「眼に見えた景観の画像」があれば、合成画像、変形技術を使い「眼に見えた景観の画像」により近い画像を得ることができます。


 横幅縮小


円筒法の合成画像(B)を変形横幅縮小


横幅拡大


横幅拡大


下部縮小


下部縮小




(6)TMS法の合成画像

TMS法とは自分が行った写真@、A、B、Cの合成法に勝手に命名しました。写真@、A、B、Cを拡大と回転により合成しました。Photoshopの【コラージュ】を、手作業で行う方法だと思います。

(*Photoshopの【コラージュ】:複数のレイヤーを整列させ、重なり合うコンテンツを一致させ、元のレイヤーを一致させ(回転または拡大・縮小)します。)


各写真のすそ野と空の境界線、中腹の目印線の傾きがかなり異なり、相当の変形を行わないと合成できないと思ったが、4枚の写真を拡大収縮し、回転することにより、意外と合わせ目が一致して結合した。

各写真はほぼカメラを水平にして撮影したが、それを回転することにより結合することが面白い。いろんな画像合成方法があり、その合成方法により画像は異なってくることがわかります。


@、A、B、CのTMS法による合成画像(D)


@、A、B、CのTMS法による合成画像(D)




合成画像(D)をトリミング



合成画像(D)をトリミング



合成画像(D)をトリミング、変形(端部の樹木が中央に傾いているのを補正し、更に縦長する)

@ACの写真部分の変形が大きく空、登山道に不自然さを感じる


合成画像(D)をトリミング、変形


三種の合成画像を作成したが、円筒法による合成画像が画面全体が最も自然な感じです。



2.カシミール3Dによる展望図作成

2.1カシミール3Dソフトで富士山の展望図を作成

カシミール3Dは山歩きをする人にとって素晴らしいソフトで、展望図を作成する機能がある。展望図作成の設定を調べると、カメラの設定がある。展望図を作成するにはカメラに写る画像をソフトで作成し、その画像を処理するようである。

ある地点から、「光学的にはこのように見えます」。または、「人間の目にはこのように見えます」という都合の良い設定はありません。他に手がかりとなる方法が無いので、カシミール3Dの展望の検討を記載します。


カメラの高度な設定のオプションには以下の機能があります。

(1)タイプ

・ノーマル

 35mmフィルムのカメラをシミュレートします。 風景を平面に投影します。 普通のCGを作る場合にはこのオプションを選択してください。風景や展望がもっとも美しく表現できます。 通常の使用には[コンパクトカメラ]、最大限の美しい画像の作成には[プロ用高級カメラ]。広角側では実際のカメラのように、画面のはじにいくに従って画像は歪みます。

・パノラマ

 主に展望図など広角側で使えるカメラです。風景を方位角−高度角座標系(円筒)に投影します。広角側でも画像は歪みません。



「広角側では実際のカメラのように、画面のはじにいくに従って画像は歪みます」とあるが、これは利用者の用途を配慮して、故意にゆがみを付け加えたのか。歪のない画像を作れるか否かは不明。パノラマ展望図を作成するには、Photoshopの円筒法と同じような技法が用いらているのか。


展望画像作成手順

(1)地図上に目印となる等高線を書き込みました。扇状の形状の要の位置が展望地点です。、上記写真@ABCを撮影した位置とかんがえました。富士山が中央に来るように方向を設定し、焦点距離16mmのカメラ設定を行いました。

富士山地形図



(2)設定 カメラ:ノーマル、PROプロ用高級カメラ、焦点距離:16mm 風景の描写:地図との合成マッピング・白



カシミール3Dによる合成、カメラ:ノーマル、PROプロ用高級カメラ



(3)設定 カメラ:パノラマ、PAN展望用パノラマカメラ、焦点距離:16mm 風景の描写:地図との合成マッピング・白



カシミール3Dによる合成、カメラPAN展望用パノラマ



(4)目印として描いた等高線がノーマルではほぼ直線、パノラマでは上に湾曲しています。ヒトの目に、等高線がどのように見えるかがわかれば、どちらのカメラがヒトの目に近いかの基準になると思います。円錐上に描いた等高線であれば、等高線と同じ高さで見れば直線、等高線より高いところからは下に湾曲、等高線より低いところから見れば上に湾曲すると思います。しかし、撮影地点からの富士山の形状が正確な円錐状になっているかどうかが不明なため、はっきりしたことがいえません。


(5)カシミール3Dノーマルで作成した画像と実写写真Bとの比較。似たような形状ですが、すそ野の傾斜はBの方が大きい。


カシミール3Dノーマルで作成した画像と実写写真Bとの比較



(6)カシミール3Dパノラマで作成した画像と実写写真@ABCの円筒法による合成画像(B)との比較。富士山の形状はかなり一致しています。



カシミール3Dパノラマで作成した画像と実写写真@ABCの円筒法による合成画像(B)との比較





3、御中道で眺めた富士山はどのように見えたか。

今回の検討の目的は、「御中道で眺めた富士山全体の景観画像を掲載したい」です。富士山全体の画像はPhotoshopの写真合成機能より作成できました。では、その「合成画像(B)」と「自分が眺めた富士山全体の景観」を比較し、異なっている場合、さらに画像処理を行えばよい。

しかし、最大の問題点は、自分が眺めた景観は脳内にしかなく、その画像が作れないということです。御中道に立ちジーと眺め写真を撮りました。その時ジーと眺めた景観がどのようなものであったかわからない。特に違いが大きい山頂部が写真Bと合成画像(B)のどちらに近いかはわかるだろうと自分に問いかけても、答えは「わからない」。これほどの違いがあるからわかるようであるが、両方に見えた気持ちになってしまう。


写真B
合成画像(B)中央部
写真B   
   合成画像(B)中央部


写真Bは実際に撮った写真ですから、広角レンズのひずみがあるとしてもこのように見えたのではないかと思っていた。しかし、角度を変えた写真4枚を見ると、すそ野と空の境界線の傾斜はやはりBでは無くACにようにかなり大きな傾斜があったように思う。そうすると、合成画像(B)に近くなる。

そこから、富士山全体の合成写真だけでなく、実写した@ABCの各写真が、自分が眺めた景観と同じかか否かがわからない状態になっている。


写真@
写真A
写真B
写真C
富士山の写真@ 富士山の写真A 富士山の写真B 富士山の写真C


これらの混乱した状況を解きほぐしてくれる、簡潔で明解な記述を見つけたので、引用させてていただいた。


 そもそもわれわれが目で外界を見るという行為は、レンズで外界をフィルムの上に写し取るといった、カメラがやっているようなメカニカルな客観的行為ではないのである。たしかに、外観は眼球の水晶体のレンズ作用によって網膜の上に光点の集合として写し取られる。しかし、見るという行為は網膜のうえで成立するものではない。光信号は網膜で電気信号に変換され、脳に運ばれて非常に複雑な信号処理を次々に受けていく。はじめ、網膜から脳の後頭葉に運ばれた電気信号は、そこで、第一次情報処理を受けてから、その情報が、その後脳の各部をめぐりながら、2次、3次の情報処理を受けていくのである。ヒトの見るという行為は、結局、脳が作り出したイメージをみるということに他ならない。

 「自分は世界がこのようにあるということをこの目で見て知っている。」

とヒトはいうかもしれないが、実際には、ヒトは脳が見せるように世界を見ているだけの話なのである。そういった意味では、人間の視覚とカメラは違う仕組みで世界を見ている。写真に写った像と、自分が見た像が同じように見えるのは、写真で取った下界の像をもう一度見て、脳が下界を見たときと同じ信号処理をほどこすから同じようにように見えるのである。

 信号処理を変えたら、もちろん違って見えるのである。写真をコンピューターで画像化するときに、ストレートに画像化するかわりに、途中でいろんな信号処理を施せば、コンピューターグラフィックスでよく見るように、どんな画像でも自由自在に作り出すことができる。基本的には脳でも同じなのである。



サイト「筑波大学 芸術」内の 高山誉史:任天堂(株) の修士論文。





上記検討から、次のようにまとめました。


(1)御中道で眺めた富士山の全体画像

富士山の景観をジーと見る凝視の視野角は60−90度ですので、富士山全体を眺めるには首を2,3回まわす。脳内でその凝視画像を3,4枚ほど重ねて合わせて富士山全体の合成画像を作成する。写真を使うPhotshopの場合円筒法を用いているが、脳内ではその人の情報、技法に基づく信号処理法を用いて合成画像を作成する。合成画像の各部分は、凝視画像とは異なった画像になっていると思われる。富士山の全体像は脳内の引き出しに保管される。(実際には視線を水平に移動して連続して景観を眺めているとしたら、多数の画像が合成することになるが、その合成過程は基本的には同じと考える。)


(2)脳内の富士山の全体画像とPhotshop円筒法による合成画像

山歩き記の富士山の全体像を作るには、@ABCの各写真を合成しなければならない。Photshop円筒法で合成画像を作成する。この合成画像を、脳内にある富士山全体像と比較して、修正を行う、または、「山の傾斜角度はもう少しなだらかです」などのコメントを出せばよい。しかし、脳内の富士山全体像がはっきりしない。Photshop円筒法の合成画像及び合成画像と各部が異なる@ABCの各写真を見たことにより、脳内の信号処理系が乱れて、脳内の引き出しにある画像を取り出すことができないようである。


(3)写真の景観

遮断板を左右に置き、視野角を100度にしてそこだけ眺めたら写真Bのように見えるかもしれません。しかし富士山全体を眺めた後、Bの景観を見ているので、富士山全体像の情報が脳にあるため合成画像像の中央部に近い景観に見えるかもしれません。

各写真においても引用文にある「写真で取った下界の像をもう一度見て、脳が下界を見たときと同じ信号処理をほどこすから同じようにように見えるのである」さえもできない状態です。


(3)富士山全体の合成画像および写真をHPに載せる

首を2,3回まわせば眺められる地点があることを記載し、その地点からの富士山全体画像をHPに載せる。また、合成してない写真Bも載せる。しかし、自分が眺めた景観とそれらの画像とのの違いはわからない。

そのためHPを見ていただいた方の違和感を解消するため、(解消するには不充分であるが)次のメントを記載する。



掲載画像について


「小御岳-御庭の御中道歩き記」をここまでご覧になって、富士山の各景観に違和感を持った方もいると思います。富士山のすそ野と空の境界線の傾斜が異なる富士山が出てくる。そのため、各画像の景観から受けるイメージが異なる。

そこで、あえて同じ時刻12:02、同じ地点からの画像を二枚載せました。
【12:02Aの画像】PENTAXQ7、広角ズームレンズ08により撮影して、上下をトリミングした画像です。
【12:02Bの画像】12:02Aと他3枚の写真を、Photoshopで合成してトリミングした画像です。広角のレンズを使っても一枚では富富士山の全体像を撮影できないため写真合成が必要です。
2枚の画像の富士山山頂部の形状は明らかに異なります。では、自分が眺めた富士山はどちらの画像に近いか。無責任と思われますが、わかりません。自分の眺めた富士山の形状がでてきません。

これより、以下のことをお願いします。
「小御岳-御庭の御中道歩き記」の各掲載画像は上記の2方法により作成した画像であり、それらによって作成された富士山像は異なった形状となることを了解して、各掲載画像を見ていただきたいと思います。

合成画像作成方法と自分が眺めた富士山との比較検討はこちらで


(4)景観の感想

合成画像(B)の景観には「窪地がほぼ正面に来て、なだらかに延びる左右のすそ野を見られる展望地点。」と記載します。これは間違ってはいない。

他の景観も、自分が眺めた景観と写真の景観は全く同じものではないという前提をもちながら、掲載画像に基づいて感想を記載します。





   その1




自分の眺めた景色を画像化する方法はないか





自分の眺めた景色を画像化する方法はないか

(1)絵画のスケッチで使う方眼状に線が引かれた透明版を目の前に置き、そこからの景観を紙に描く。

  方眼状に線が引かれた透明版を置いたことにより、脳内の信号処理系が変化して、信号処理が異なる画像ができそうです。また、二つの目で見るので、透明版を置く位置で違ってくるか。
      また、180度回転すると更に問題が出てきそうです。

(2)スケッチの達人100人を集め同じ景観を描いてもらう。

  100人の感覚の違いを比較するだけか。

(3)脳内にある画像情報を平面に画像化する。

  200年ほど待たないといけないか。






   その2




合成写真作成 ケース2


合成写真作成 ケース2


(1)撮影ポイントは本編より小御岳側いある御中道。御中道の脇に置き石があり、山頂下の溝が右側にあります。

(2)用いた写真。富士山山頂部が右端に位置する写真E、富士山山頂部が左端に位置する写真Fを用いた。富士山山頂部が中央に位置する写真Hは参考写真。



写真D
写真E
写真F
写真G
写真H
富士山の写真D 富士山の写真E 富士山の写真F 富士山の写真G 富士山の写真H



(3)TMS法で合成。富士山が端部に位置するとすそ野の傾きが大きく変化する。EFHが同じ山頂部とは思えない。しかし、山頂部に注目して重ね合わせを行うと、変形を行わなくともEFHの傾きを変えることで山頂部の形状はほぼ一致した。同様にDGを重ね合わせた。すそ野と空の境界線は重ね合わさったが、全体画面でみると両端が反り返ってしまい、画面にある樹木は中央に向けて傾いている。

画像は省略するが、樹木が垂直になる状態で重ね合わせると、山頂部が合わない。これが、レンズの歪のためか、撮影する角度の違いによるかは不明。



富士山の画像合成



(3)画像下部を縮めて、樹木の傾きを補正。写真DGの変形が大きくなり、空、登山道に不自然さを感じる。この合成方法は180度の景観を合成するには無理があるようです。





富士山の画像合成



(4)Photoshopの「遠近法」、「コラージュ」、「位置の変更」では本編と同じで合成不可。これらのレイアウト処理を使っては、、視野角の大きい写真では合成ができないようである。球面法は省略。


(5)Photoshopの円筒法で合成。画面全体が湾曲する感じがあるが、全体の違和感は少ない。参照する「自分が眺めた景観」の画像が無いのでこれ以上の感想は書けない。

山の中腹に真っすぐで長い棒がある景観だとそれをもとに補正ができるか。しかし、その棒が180度視野角で(工学的に、ヒトの目に)どのように見えるかも相当難しそうである

当サイト全体のパノラマ図作成には、円筒法による合成画像を使うことにした。


Photoshopの円筒法で合成した富士山


Photoshopの円筒法で合成した富士山