小御岳〜御庭の御中道歩き記  2015年7月27日(月)



記録的な猛暑のため、涼しさとシャクナゲの花を目的に御中道歩きを選びましたが、快晴のもと鮮明な富士山が眺めながら快適な山歩きでした。

富士山を北東から眺める場合、この時期は太陽の位置が高いためか、午前中でも陽のあたりが良いことがわかりました。

   

 

小御岳-御庭の往復コース

富士山御中道の地形図

 
今回のコース 時刻 
小田急江ノ島線
長後駅
5:59
富士急行線大月駅
7:52
富士急行線富士山駅
8:34
9:00
富士スバルライン五合目 2305m
(バス:往復3910円)
10:15
10:39
(70分のコースを100分かけてゆったりと歩く)
御庭 東屋 2360m
12:20
13:53
富士スバルライン五合目
14:37
15:10
富士急行線河口湖駅 15:55
16:11
小田急江ノ島線
長後駅
19:05
        
 
小御岳から大沢崩れ展望場所までの御中道は殆ど上り下りがありません。

富士山御中道の地図


手持ちの写真で鮮明なものがないため、紅葉台案内板の画像を借用しました。

点線で御中道を示しました。その下の黒い筋が富士スバルラインです。大沢崩れは、右奥で見えません。

印の窪地が先に現れ、印の窪地が次に現れます。これらの窪地が、御中道から見る富士山のポイントになります。


富士山御中道の写真







小御岳-御庭の御中道歩き記   2015年7月27日(月)




■5:59 小田急江ノ島線長後駅出発


■7:52 富士急行線大月駅出発

「三ッ峠を過ぎたあたりに富士山撮影スポットがあります。」との車内放送があり、徐行運転をしてくれるのでカメラを用意して本日最初の富士山をパチリとするのが慣行になった。本日は何故か車内放送が無いが、富士山の最初の一枚を撮影。7月ですので、やはり富士山の南部から発生する雲が多い。
 


富士急行線電車からの富士山




■9:00 富士急行線富士山駅からバス出発。バス停からの富士山。富士山にかかる雲は更に多くなっている。しかし、富士山駅は富士山の北東部、目的の小御岳-御庭は富士山の北部〜北西部、しかも標高2300m、この方向の富士山は雲が少ない可能性が大きい。
バスは超満員、河口湖駅に止まり客を乗せることになるが、満員のため、新たに客は乗せないで出発。河口湖からは臨時バスが出るのか。



富士急行線富士山駅からの富士山





富士山駅から河口湖経由富士スバルライン五合目行きのバス



■10:15 富士スバルライン五合目 2305mに到着


■10:23 富士山の東部に雲があるがほぼ快晴。五合目歩きの良いところは、晴れの確率が高い。雲の動きは早い、10秒ぐらいで富士山を隠すこともある。



小御岳からの富士山




■10:24 富士山山頂部分。一番高いところが、白山岳頂上か。(カシミールの「見通し」機能で調べると、白山岳頂上は「見えます」と出ました。)



小御岳からの富士山山頂部




■10:39 周辺を少しぶらぶらしてから、御中道歩き出発



富士山御中道出発点




■10:50 今回の目的のひとつは、シャクナゲ(石楠花)鑑賞。前回2014.9.10に歩いた時シャクナゲの木が多いの気づき、花咲く季節にもう一度歩きたいと思った。しかし、この辺りの殆どのシャクナゲの花が盛りが過ぎていた。一週間ほど遅かったようである。咲き遅れの花を見つけ撮影。(この先に今が盛りと、群れて咲いているところも有りました)。



富士山御中道のシャクナゲ




■10:50 フジハタザオ(富士旗竿)。富士山だけに咲く花のようです。



富士山御中道のフジハタザオ




■10:55  火山噴出物スコリアの上に石が敷かれてあり歩きやすい道です。下界は35℃の記録的猛暑、ここは涼しく眺め良し。快適です。



富士山御中道の石畳




■10:59 最初の富士山展望場所。

スコリアの山体にパイオニア植物が生えています。パイオニア植物は先駆植物ともいい、荒地に真っ先に現れる植物です。このパイオニア植物の斑点が美しく、色彩豊かな富士山にしています.。お中道からすこし高い所にのぼり、嬉しそうに眺めているところを相棒さんが撮ってくれました。




富士山御中道の最初の富士山展望場所




■11:02 富士山を左側に眺め、進みます。



富士山御中道からの富士山


   

■11:05 お中道は森林限界の境目ですので、森林の中も歩き、樹木の奥の富士山を眺めます。

森林限界(しんりんげんかい、forest limit、forest line、tree line)とは、高木が生育できず森林を形成できない限界線を指す
日本では特に主に夏の温度・積算温度に従うようである。日本アルプス中央部や富士山では約2500-2800mほどである。東北地方で約1600m、北海道の大雪山や日高山脈で約1000-1500m、北海道の利尻島で標高約500m、千島列島では標高300m程度にまで下がっている。一方、九州や四国、 屋久島の宮之浦岳など標高が2000m程度で森林限界が見られるが、これは岩石地質や地形的な影響が大きい。(森林限界 - Wikipedia



富士山御中道樹木の奥に富士山




■11:08 富士山の右のすそ野が下方に流れ、その奥に、本栖湖が見えています。御中道歩きで味わう楽しい眺めです。


富士山御中道からの富士山




■11:08 富士山山頂部。真ん中の窪地がページ先頭の写真に示した印の窪地です。



富士山御中道からの富士山山頂部




■11:09 小御岳〜御庭の御中道からの富士山 パイオニア植物群の進撃。

パイオニア植物(先駆植物)とは荒れ地に真っ先に現れる植物で、富士山の森林限界に生きる植物です。このパイオニア植物が長い、長い年月を積み重ねてスコリアの荒地を森林に変えていきます。この場所で、パイオニア植物が山頂に向かう姿を見ることができます。パイオニア植物群の進撃です。美しくかつ逞しい斑点状のパイオニア植物の進撃を見るのが、御中道歩きの醍醐味です。



富士山のパイオニア植物群





■11:09 小御岳〜御庭の御中道からの富士山 パイオニア植物群の進撃。 壁紙用(WUXGA1920-1200)






(WUXGA1920-1200)





■11:15 御中道では、少し歩くと富士山山頂部の前景が変わっていきます。



富士山御中道からの富士山




■11:18 御中道の敷石を前景にして。

雲が出てきました。夏の日は、晴天でも富士山の南西部は上昇気流による雲が発生することが多い。しかし、富士山の北西部から見る場合、発生した雲は富士山の後ろ側にあり、変化に富んだ背景を作ります。



御中道の敷石を前景にした富士山





■11:18 富士山山頂部



御中道からの富士山山頂部




■11:20 右のすそ野がどこまでも伸びていきます。



御中道からの富士山




■11:22 樹木の中の道を進みます。



御中道樹木の道




■11:24 林を出ると右側には大室山、本栖湖、精進湖。



御中道眼下の景観




■11:30 道の脇にはシャクナゲ。

お中道のシャクナゲの種類は、ハクサンシャクナゲ(白山石楠花)。花は白から淡い紅色で、内側に薄い緑色の斑点がある。亜高山帯の暗い針葉樹林内を彩る代表的な花です。



御中道のシャクナゲ




■11:38 左側には富士山山頂部、印で示した窪みが出てきました。贅沢な散策道です。



御中道からの富士山




■11:40 スコリアの下に雪。天然の氷室。







■11:46 更に進んだところで、パイオニア植物群が見渡せるところまで左側の斜面を登ります。富士山のすそ野と空の境界線が美しい。



富士山のパイオニア植物群





■11:46 パイオニア植物群の進撃。望遠レンズに変えて撮影します。







■11:46 富士山御中道のパイオニア植物群の進撃。壁紙用。





(WUXGA1920-1200)




■11:46 かなりの高さまでパイオニア植物が登っています。スコリアの赤紫色、パイオニア植物の若草色、山頂部溶岩の黒紫色、残雪の白、空の青、見事な配色です。



御中道からの富士山山頂部




■11:47 この写真だけ見せられた時、富士山山頂とはわからないと思います。溶岩の山肌が荒々しい。



御中道からの富士山山頂部




■11:47 すそ野と空のなだらかな境界線が美しい。



御中道からの富士山すそ野




■11:47 火山噴出物スコリアです。水分をためることができないため、この上に植物が生えてくるのは相当難しい。

スコリア(英: scoria)とは、火山噴出物の一種で、塊状で多孔質のもののうち暗色のもの。岩滓(がんさい)ともいう。
主に玄武岩質のマグマが噴火の際に地下深部から上昇し、減圧することによってマグマに溶解していた水などの揮発成分が発泡したため多孔質となったもの。発泡の程度は一般に軽石より悪く、発泡の悪い(孔の少ない)ものは火山弾や火山礫に移化し明確な区別は決められていない。
スコリアの色は一般に黒色〜暗灰色であるが、噴出した時の条件によってはマグマに含まれる鉄分が酸化して酸化鉄となり、紫〜赤色となる場合がある。 (スコリア - Wikipedia



御中道からの富士山スコリア




■11:49 本栖湖方面の雲が少なくなったので山座同定。この右側は雲が無い場合、河口湖まで見えるようです。




御中道からの本栖湖








■11:52 連続写真を合成して360+α度の景観。

御中道には、首を一回り以上まわすと、このような景観を眺められるところが数箇所有ります。首が回らない人は、体全体を回します。60歳を過ぎると首回りが悪くなるので、慎重に体全体を回して撮影。





御中道からの富士山360度







■12:02A 富士山の印の窪地が中央に見えるところにきました。



御中道からの富士山窪地が中央




■12:02B 窪地がほぼ正面に来て、なだらかに延びる左右のすそ野を見られる展望地点。



富士山の左右のすそ野を見られる展望地点






掲載画像について


「小御岳-御庭の御中道歩き記」をここまでご覧になって、富士山の各景観に違和感を持った方もいると思います。富士山のすそ野と空の境界線の傾斜が異なる富士山が出てくる。そのため、各画像の景観から受けるイメージが異なる。

そこで、あえて同じ時刻12:02、同じ地点からの画像を二枚載せました。
【12:02Aの画像】PENTAXQ7、広角ズームレンズ08により撮影して、上下をトリミングした画像です。
【12:02Bの画像】12:02Aと他3枚の写真を、Photoshopで合成してトリミングした画像です。広角のレンズを使っても一枚では富士山の全体像を撮影できないため写真合成が必要です。

2枚の画像の富士山山頂部の形状は明らかに異なります。では、自分が眺めた富士山はどちらの画像に近いか。無責任と思われますが、わかりません。自分の眺めた富士山の形状がでてきません。

これより、以下のことをお願いします。

「小御岳-御庭の御中道歩き記」の各掲載画像は上記の2方法により作成した画像であり、それらによって作成された富士山像は異なった形状となることを了解して、各掲載画像を見ていただきたいと思います。」

合成画像作成方法と自分が眺めた富士山との比較検討はこちらで





■12:06 樹木の後ろ側に見える富士山もいいです。



御中道からのp富士山




■12:09 右のすそ野が延びて、本栖湖方面の山々が見えます。



御中道からのp富士山





■12:11 窪地が大きな口のように見えます



御中道からの富士山





■12:13 ここら辺一帯のシャクナゲは今が盛りと咲いていました。陽の当たり方などによって咲く時期が異なるようです。



御中道のシャクナゲ




御中道のハクサンシャクナゲ




■12:16 ミヤマハナゴケとコケモモの葉。

富士山御中道の御庭付近に生えていたミヤマハナゴケは火山噴出物スコリアに生息するパイオニア植物。ミヤマハナゴケ(深山花苔)は名前にコケがついているが地衣類。可憐で、美しく、白いサンゴのようです。コケモモとの色の対比が良く、心が癒されます。



御中道のミヤマハナゴケとコケモモの葉







■12:18 小御岳から御庭までは、上り下りはほとんどない散歩道です。今回は、相棒さんの知合い二人を加えて4人で歩きました。



御中道の富士山




■12:20 スコリアに咲くイタドリ(虎杖、痛取)

イタドリの若葉を揉んで擦り傷などで出血した個所に当てると多少ながら止血作用があり、痛みも和らぐとされる。これが「イタドリ(痛取)」という和名の由来でもある。冬になって地上部が枯れた頃に根茎を採取し、天日乾燥させたものを虎杖根(こじょうこん)といい、緩下作用、利尿作用があるとして民間薬に使われる。また、カンゾウといっしょに煎じて、咳を鎮めるために利用された。(イタドリ - Wikipedia



御中道スコリアに咲くイタドリ




■12:20 御庭東屋に到着。解説文を記載します。



御中道御庭




富士山の寄生火山


火山の中腹や裾野に、新たに噴火してできた小さな火山を寄生火山といいます。
富士山には、その山腹や裾野に数多くの円錐状のコブがありますが、これはマグマが富士山の地中の弱い所を破って、地表に噴出して形成した寄生火山です。
富士山の寄生火山の代表例は、宝永火山や大室山ですが、その他大小100個以上の寄生火山があるといわれています。
ここ御庭・奥庭付近にある「ロート」状のくぼみは、寄生火山の火口の部分が地表にあらわれているものです。



■12:20 色彩豊かな富士山山頂部をじっくり撮影



御中道お庭からの富士山




■12:23 富士山山頂部 パイオニア植物群の進撃



御中道からの富士山山頂部




■12:23 富士山山頂部、変化に富んだ岩肌。



御中道御庭からの富士山山頂部




■13:37 東屋から先に進みます。



御中道からの富士山




■13:46 スコリアの斜面を少し登ります。



御中道からの富士山




■13:49 御中道に下りて



御中道からの富士山




■13:50 この先を進むと大沢崩れです。ここから、富士スバルライン五合目の出発点に戻りました。



大沢崩れの表示板




■13:56 これからは、来た時と同じ場所ですが、少し構図が異なる景観を載せます。



御中道からの富士山




■14:03 御中道からの富士山は午後の方が陽のあたり方がよいと思う。



御中道からの富士山




■14:15 御庭〜小御岳



御中道からの富士山




■14:21 御庭〜小御岳  富士山大きいな〜と思います。美しいな〜とも思います。これは振返って撮影した景色です。



御中道からの富士山




■14:22 御庭〜小御岳  この日は御中道を歩いていた人が多く、パノラマにすると人物を除いて撮影するのは難しいです。



御中道からの富士山




■14:25 御庭〜小御岳



御庭〜小御岳の御中道からの富士山





■14:29 小御岳の出発点近くにの戻ってきました。



御庭〜小御岳の御中道からの富士山





■14:37 富士スバルライン五合目到着。御庭東屋から50分程で戻りました。







■15:10 河口湖駅行きバス出発



河口湖駅行きのバス





■15:55-16:11 河口湖駅到着−出発


■19:05 小田急江ノ島線長後駅到着。


■「小御岳-御庭の御中道歩き記 2015年7月27日」END






ページトップに戻る

















富士山と野の花眺めて山歩き l 富士山展望の山を方位角の一覧表から探す l 地図から探す l 富士山あれこれ l サイトあれこれ  北斎「富嶽三十六景」